「手と目といっしょ!」

皆様いつもありがとうございます。
先日の地震では、沢山の安否のお問い合わせいただき、甚だ不謹慎ではございますが、あらためてお得意さん、常連さんの有り難さを再認識させていただいた次第です。本当にありがとうございました。

さて今日は夏日も続く梅雨真っ只中!仕事への気の緩み、横着さを戒める為に自分に言い聞かせるお話。どうぞ最後までお付き合い下さい。

「手と目といっしょですよ!」
このフレーズは今から二十数年前の僕の東京修業時代に店主(旦那さん)によくたしなめられた、忘れられない言葉です。

  • 手をすべらして器を欠いてしまった時
  • 包丁で指を切った時
  • 野菜の裁断の寸が揃って無い時
  • 蕎麦切りの包丁の目が不揃いな時

等々何かにつけて云われ続けました。
当時は「又かいな!」って程、耳にタコでした。
その時一緒にお世話になっていた仲間達は、この文章を読むと大きく頷く事でしょう。今となっては自分が誰彼無しに使う言葉になりました。
本当に言い得て妙な台詞なのです。
細かい簡単な失敗は、殆どこの言葉通りに動けば防げることばかりなように思うのです。

最初は緊張しながら進める仕事も、慣れてきますとつい最後まで目が行きとどきません。
コップ一つをテーブルに置くのだって、最後まで目を離さずにしていますと音さえも静かに着地させられるのです。
どうしても経験が物を言って、普段通りに出来ると思い込むのです。そこに何時もと違う段差でもありますとたちまちこかしてしまう始末なのです。

例が悪いかもしれませんが、昨今多くなっています高齢者の車の発進事故も
この慣れが優先して起こってしまう事案の様な気がします。

細部まで目を配りなさい、慣れてしまい初心を忘れない様にとの二つの意味を持つ戒めの言葉なのです。今頃ぼちぼちと理解しています。

こんな風に当時を懐古しますと、その「旦那さん」はもうおられない様にきこえてしまいますが、決してそんなことはなくてお元気です!(笑)
御歳九十になられましたが、蕎麦の話、店の話等で電話しますと此方はずっと背筋が伸びたままでの会話となります。

色んな事を吸収出来たかなって思うのは、それが出せる場面が訪れると気付く事です。
やっぱり全然足元にも及ばないのです。
「手と目といっしょですよ!」…はい。

余談ですが、これからの時季、世の女性は薄衣になって男性にとりましては
目の保養にも一役かってくれますが、くれぐれもそこ止まりですよ!
そこで 「手と目といっしょ!」を適用しますと
たちまち「手と輪といっしょ!」になりますのでね(^-^;)

京都の夏突入です。水分補給もしっかりとお身体ご自愛下さい。
お付き合いありがとうございましたm(_ _)m