「今季の新蕎麦入荷について」

ミツバチ、そば

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
十月(神無月)になりました。
例年ですと先月中に”秋の新蕎麦”のご案内させてもらってましたが今年は少し事情が違いまして、「日本列島新蕎麦旋風」とはいきません。
ご承知の通り猛暑、地震、台風が日本中を暴れ回り、未曾有の飢饉と言ってもよい位の被害をもたらせました。
当店のそば粉の、主な産地の北海道も例外ではございませんで、広大な蕎麦畑もそのあおりを受けて、今期の収穫量は例年のおよそ半分程度に留まりました。

ミツバチ、そば

主な原因は、異常な高さまで上がった夏の気温により、ミツバチの活動が鈍くなり(そういえば蚊も同様でした)上手く結実しなかった事、川の氾濫による水浸かり、そして極めつけにあの地震による流通のストップ。この三つの要因が重なり、旬の味が口に入らなくなったのです。

野菜の値の高騰、新米の不出来、そして、秋の味覚の王者秋刀魚の流通の停滞。蕎麦粉の他にも多数のストレスが重なった秋口となりました。

こういう事が重なって思うことは、我々の毎年の通例は、ほぼ自然に委ねていると言っても過言ではありませんね。
自然界がコホンと咳一つしても、人間界ではたちどころに梯子の段を外されてズルズルと落ちて行ってしまう始末です。

先日、「奇跡の巨岩 孀婦岩に迫る!」と題したドキュメンタリー番組がありました。(そうぶがんって読みます。)
伊豆諸島最南端に位置する太平洋上に、ニョキッとそびえる高さ約100㍍の奇岩の特集でした。周りには何も無いのに、深海からその場所だけに先の部分が顔を出す火山島なのです。島に上陸するのさえも困難な外洋なのに、ましてやその岩に登頂してしまうなんてとんでもない番組でした!

富士山の特集を見た時もこの岩の時もそうですが、宇宙規模、地球規模で考えてみますと、今我々に見えている様々な景色、絶景などはホンの一瞬の時間なのだそうで、美しさを例えるのに枚挙に暇がない富士山のあの形でさえも、そう見えているのが奇跡なんだそうです。
先の巨岩も、後何百年もすれば荒波に浸食されて、姿を消すのだそうです。

こんなに大きな話と、今年の”新蕎麦”の出来は何の関係も無さそうですが長~~い目でみますと(宇宙規模とまではいきませんが……..)せめて人の寿命尺度程で計りましても、今年ほどの被害はそう多くは無いような気がします。

星の誕生や生物の進化を考え始めると途方も無い世界ですが、その時間経過のあっという間の一瞬の出来事です。
例年通りと言うのは、人間の勝手な考えなのかもしれませんし、ひょっとしたら去年と一緒というのが奇跡なのかも知れません。

新そば

話を台所に戻しますと、今年の”新蕎麦”は少しづつですが入荷しております。でも先述しました様に、収穫量は毎年の半分です。
ですので、満足な提供ではなくなるかもしれませんが、ご辛抱下さい。
その内に本州産も追々出回って来ると思いますので、そこの所はご安心下さい。

とは言え、被災されて住む場所さえも無くなってしまった方々を考えますと、旬の食材はおろか、飲み水や電気・ガスといったライフラインが正常に機能していることが一番有難いのかもしれません。

今年の数少ない”新蕎麦”は、少し苦い味もするかもしれませんね。
大事に打っていきたいと思います。

冒頭にも書きましたが、被災地には今月は、どうか「神在月」「神居月」となります様に。
そして当店におきましても同様となります様に。

街でミツバチを見つけたらどうか一言、「ごくろうさん!」って声掛けてやって下さいm(_ _)m