「月替わりの献立-10月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu Oct. 2024

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
「暑さ寒さも彼岸まで」とは確かに言い得て妙な慣用句ではありますが今年ばかりは大幅にずれ込んでいる様な気がします。
ここ何ヶ月間の冒頭の文章が気温の話題ばかりで甚だウンザリしますが、それ程暑い思いをした夏でした。
大型台風に始まり、災害級の降雨、落雷、米不足、野菜の高騰と悪いニュースには枚挙にいとまがありません。
当店もスタッフに熱中症が出たり、厨房の暑さにやられてやむ無く店休にした日もありました。
10月に入っても30度を超える日が続くとの予報です。
これでは食材の旬もあったもんじゃありませんよね。
それでも月は変わってしまいますので、季節の献立も一新します。

「10月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 秋鮭の入った天ぷら蕎麦
  • 栗御飯
  • 柿なます

メニューは目一杯秋の味覚で行きたいと思います。

秋鮭の入った天ぷら蕎麦

生の秋鮭ですので、割にあっさりしてます。ですので、塩麹で下味を付けて揚げてあります。後の諸々は野菜であったり、ちょっと変わった種を使おうと思っています。
例によって別皿に盛りますので、お塩で又は出汁に入れるかお好きな食べ方でお召し上がり下さい。
天は柚一片の香りです。

栗御飯

秋定番の混ぜご飯です。
栗も細かく砕いて蒸しあげてありますので決して、「私のには栗が入って無い!」
って仰らないで下さい(笑)
天には銀杏で演出です。

柿なます

秋色のおかずです。
柑橘だけの酸っぱさですのでサッパリと食べていただけると思います。
シャリシャリと歯触りも楽しんで下さい。

こんな調子で行きたいと思います。

先述しましたが、食材の旬がずれてきています。
秋が一番の食材の宝庫と言っても良い時期なのに魚も葉菜類も期待出来ません。それどころか、秋の概念すら無くなってしまうかもしれません。夏の次が冬なんてぞっとしませんもんね。
日本には四季をもっと細かくした二十四節気なんて素敵な暦までありますのに、全部生かしたいものです。
秋分も終わりましたので次は寒露です。
まさに秋の夜長!ぼちぼちと燗酒が恋しくなって来る頃合いです。
汗かきもっての一献じゃあ、洒落にもなりませんのでそれまでには何とか涼しくなって欲しいものです。
又ひと月、どうぞ宜しくお願い致します。

追記としまして、こんな気候ですが衣替えの時期ですので
夏メニューと交代で冬メニューの ”鴨” 始めます。
こちらもご贔屓いただきます様、宜しくお願い致します。

鴨せいろ
鴨せいろ

「月替わりの献立-9月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu Sep. 2024

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
各地で被害が報告されていますがこの月変わりは、荒れた様相を呈しています。地震の次は台風と、この原稿を書いている今も明日の営業をどうしようか?と速報を幾度も確認しての作業です。
アメリカ、ヨーロッパ、日本のスーパーコンピュータを駆使してさえも結果がピタリと一致しない程の迷走振りやそうで、なんとも読めません。
日本で一番先読みが出来る人と云っても文句の出ない、つい先日も王位を防衛した藤井聡太棋士に請うてみてはどうでしょう?
そんな不安いっぱいの月替わりの献立です。

「9月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 鶏とキノコの蕎麦
  • コーン•コン飯
  • 海老蒸し春巻きの餡掛け

です。

鶏とキノコの蕎麦

本当は鶏松茸蕎麦と書きたいんです。でも松茸が一定入荷するかいささか不安ですのでキノコと書きました。出来る限りあの香りの良い季節物を使いますので入ってない日はお客様の想像力MAXでお召し上がりください。抜群の相方はスダチが努めます。

コーン・コン飯

ちょっと恥ずかしい名前を付けました(苦笑)
とうもろこしのコーンは解るけど、コンって何や?ってなりますでしょ。
実はコンビーフのコンですねん。
熱いご飯に混ぜますとコンビーフの脂が上手い具合に溶けて米をコーティングします。
動物性の食材が少し入るだけで、コクが出る様に思います。コーンとの相性も良いようです。
天にはフライドオニオンのカリカリ食感です。( コンビーフが苦手ってお客様は申し付け下さい。)

海老蒸し春巻きの餡掛け

お初のメニューです。
ライスペーパーを使ってみたくて、海老のすり身に被せました。
ホタテ貝柱や甜麺醤が練り込んでありますので少し中華風に仕上がりました。上から熱々の鰹出汁の餡が掛かります。緑は菊菜、天は菊が乗って重陽の節句を意識しました。

こんな感じで今季は和洋中折衷で、とりとめ無くうつりますが割に上手くまとまった様に思います。定番と新参者、新旧での提供です。
新参者も気に入ってもらえて定番になってくれると良いのですが。

冒頭の通り台風の動向が読めませんので、9月の献立も1日から提供出来るか解りません。自然にはどうしても抗えませんね。
ちょっとご不便掛けるかもしれませんが辛抱下さい。
この暑さも災害も早く投了としたいものです。
又、ひと月どうぞ宜しくお願い致します。

「月替わりの献立-8月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu August 2024

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
盛夏です! 猛暑です!! 酷暑です!!!

この暑い中、ご来店いただきまして本当にありがとうございます。
月初めの冒頭文が、ウンザリする程の季節の挨拶で申し訳ありませんが、おみえいだだくお客様にも気を遣います。
かき氷でもお出し出来れば良いのですが………。
早く、夜の虫の音が秋の気配になってきた様で……と出だしを変えたいものですね。

さて、月替わりの献立も酷暑仕様に変わります。

「8月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • “ ダシ “掛け冷そば
  • 鱧丼
  • 冬瓜と鶏つくねの冷鉢

 “ ダシ “掛け冷そば

ダシとは夏野菜(胡瓜、茗荷、大葉、セロリ、茄子、新生姜)のさいの目切りと昆布を調味醤油で漬けた山形県の郷土料理です。
それを真似て蕎麦屋らしく麺つゆで合わせてあります。
焼き油揚げを横に、冷そばに掛けました。
身体を冷やす野菜ばかりですので、スルスルと喉越し良いと思います。
今季の暑さに応じて、天にはレモンシャーベットが乗ります。
サッパリと仕上がっています。

鱧丼

祇園祭りは終わりましたが、お野菜ばかりではスタミナつきませんので、お祭りの魚、今月使います。
焼き鱧を再度蒸しあげて丼にしました。
香ばしいかおりに、茗荷と大葉も参加です。

冬瓜と鶏つくねの冷鉢

見た目も食感も涼しく仕上げたつもりです。
つくねも極力主張し過ぎない様に薄味です。
オクラと赤コンニャクが色を、すり青柚子が香りをつとめます。

こんな感じです。

食欲の減退するこの気温の中、冷たいそば・うどんならと通っていただいておりますので、少しでも涼と食欲が合致すればと思っています。
命にかかわる暑さのこの調子では、何度もお待ちしておりますとは言えませんので良い時間帯で、対策万全でご来店下さい。
今月もひと月どうぞ宜しくお願い致します。

追記としまして、今月は「季節のおそばと御飯」の提供がイレギュラーとなります。仕込みの都合で、お盆期間と当店の夏休み(19日〜22日)期間中
10日(土)〜23日(金)迄を提供休止とさせていただきます。
勝手申しますがどうぞご了承ください。

厳しい暑さ、どうぞくれぐれもお身体ご自愛下さい。

「月替わりの献立-7月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu July.2024

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。

とうとう梅雨入りしてしまいました。なんでも去年より15日遅れての発表やそうでして、おまけに集中豪雨が多くなる予報も出ています。シトシト雨に紫陽花狩りとはいかなさそうですね。

それが終わると、ぼちぼち蝉が鳴き始めて本格的に酷暑に突入です。ニュースの熱中症注意喚起も耳にタコです。

さて、猛暑へ足を一歩踏み入れます。月替わりの献立も夏仕様に変更です。

「7月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 鱧冷しぶっかけ
  • 枝豆御飯
  • 豚とピータンの冷製皿

 鱧冷しぶっかけ

京都の夏の代表魚と云えば…‥にしてみました。まぁ、毎年の事ですけどね。

お祭り月でもありますんで、鱧の落としと茄子の冷たいぶっかけ蕎麦です。落としにはど定番の梅肉が乗ります。色は茗荷の甘酢漬けです。

枝豆御飯

何かと重宝する枝豆です。

今回は干貝柱も混ぜてコクもアップさせてみました。

豚とピータンの冷製皿

多分ピータンを使うのは初めてだと思います。

好き嫌いの分かれる食材ですが、あのゼラチン質が涼しそうかなって思いまして、加えてみました。そんな事もあって少し中華風に仕上げてあります。

焼き万願寺唐辛子の香りが、良い仕事しますよ。

ざっとこんな感じです。
見た目も食感も全部” 涼”でまとめてみました。

もう直ぐやって来る、あの蝉時雨に対抗する為に”冷” で責めてみます。あの大合唱の音だけで5℃程上がった気がしますもんね。

セミと云えば、海の向こうのアメリカ16州にわたって221年振りに周期ゼミの大量発生やそうでして、その数なんと!一兆匹らしいです。数を云われても想像つきませんが13年ゼミと17年ゼミが一緒に地中から出て来る一大スペクタクルです。それが一斉に鳴き出すんですから、蝉時雨なんて言葉で表せませんよね。あたかも瀑布の様相でしょうか?何れにしても流石アメリカ、規模が違いますね。

あまりのやかましさに、耳栓が飛ぶ様に売れているのだとか!
人間が抗う事って、たかがしれてますよね。次回の大量発生迄、今の人間が誰一人生きていない事もとっても素敵です。
そんな彼らの悠久の時に想いを馳せて、今夏の蝉時雨を浴びてみたいと思います。

先ほど記した様に、ニュースは酷暑の対処に注意喚起しています。

尋常な暑さではないのですが、お出掛け控えてとは言い難いですので充分対策をとってご来店下さい。

又ひと月、どうぞお付き合い下さい。

「月替わりの献立-6月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu June.2024

 皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
店前の、街路樹下の2種類の紫陽花も例年より早く開花し柏葉紫陽花なんかは、ほぼ満開で梅雨本番には間に合いそうにありません。
店内のエアコンの運転時間も徐々に長くなってきていますので毎日の天気予報にうんざりする季節もそう遠く無さそうです。

 さて、月替わりですので季節の献立も一新します。
5月は中途半端な週から始めましたので、期間も短くなってしまい申し訳ありませんでした。
今回はちゃんと1日から始めさせていただきます。

「6月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 花巻蕎麦
  • 谷中飯
  • 茄子揚げ浸し

です。

花巻蕎麦(ハナマキソバ)

毎年この月恒例になってきた蕎麦です。
焼き海苔と山葵のいたってシンプルな温かい汁蕎麦ですが何が季節の旬かと申しますと、山葵は6・7月が収穫最盛期なんです。
当店も信州から届く立派な安曇野産山葵も、おろしたては粘り、色、甘さ全て申し分ありません。
それに加えて温かい汁でお出ししますので、海苔の香りとの相乗効果で本当、良い香りの種物だと思います。

谷中飯(ヤナカメシ)

これも毎年のど定番の混ぜご飯です。
出汁で味付けした針新生姜だけの簡単なご飯ですが此方もとっても良い香りが食欲を増します。今回は白身焼き魚のほぐし身も加えて、香ばしさもプラスしました。
谷中は東京の地名で昔、生姜の生産地だったらしいです。
深川飯や舟場汁と言った名の由来と一緒ですね。
天の緑は絹さやです。

茄子揚げ浸し(ナスアゲビタシ)

おかずには少し油を使いました。
素揚げした茄子を出汁に漬けて、一晩冷蔵庫でキンキンに冷やしてあります。
他、いくつかの夏野菜も同様に色で参加です。
甘辛の出汁が良く滲みて、ホッと一息つける冷やし鉢に仕立てました。
天は白髪ネギの白で涼を。

こんな感じです。毎年のメニューですが少しマイナーチェンジしてあります。

6月は雨の時期でもありますので、温かい汁蕎麦での提供とさせてもらいました。
 昼の間で売り切れてしまう日が多くなってきて、ご所望のお客様全員に行き渡らない事、申し訳ありません。
毎月楽しみにしているとお声掛けいただけるのも励みになります。
本当にありがとうございます。

 そんなありがたいお客様に、バカ店主からひとつお願いがございます。
昨今のSNS事情から、多くの方が運ばれて来た商品にスマホのカメラを向けて下さいます。用途も大体察しがつきますので大変ありがたいのですが反面、一刻も早く召し上がっていただきたいのが本音です。
以前のブログにも記した事があるのですが、麺類は出て来た状態が一番美味しいタイミングです。時間と共にどんどん劣化していきます。カメラの作業がどうしても時間を奪います。本当のところ、お箸を持って待っていて欲しい勢いです。運ばれてきたら直ぐに食べていただきたいのです。
箸をつけてから撮ったのでは映えないのも充分理解出来ます。
でも、麺類の撮影、投稿はもう諦めて食事に専念して欲しいです。
時間を掛けて撮影して、満足いく投稿までは保ちません。
コメント欄に『麺が柔らかく、コシが無かった』って発見すると非常に悲しくなります。バッチリ写真付きで投稿されていますしね。
タグ付きで、宣伝も兼ねているのにエラそうにって叱られそうですがどうか、”そう言えばバカ店主が云うてたな”と思い直してシャッター音ではなくて、すする音を調理場まで響かせて下さい。

 勝手なお願いでしたが、今月もひと月どうぞ宜しくお願い致します。

                           バカ店主