祇園祭と鱧(はも) | Gion Matsuri, Hamo

みなさまこんにちは、何時もありがとうございます。
7月に入って京都市内は”祇園祭”一色です。10日には鉾立ても始まり鉾町もムード満点になってきました。梅雨明け宣言はされていませんが今年は少し早い様な気もします。

さて今日は、お祭りに因んだ食材の話をしようかと思います。
“祇園祭”の事を別名”鱧祭り”とも言います。それほど祭りの期間と鱧の出回る時期が一致しているのです。明石や淡路島産が主ですが”梅雨の水”を飲んだ鱧が美味いと言われる様に梅雨から梅雨明けにちょうど旬を迎える魚が正に”鱧”なのです。


どうしてこの魚だけが真夏の京の代表味覚になったのでしょうか?
ご承知の通り、盆地の京都市内は周りの海からの魚介調達に頼っています。今でこそ輸送機関が発達して、早ければその日の内に入荷ということもありますが昔はそうはいきません。担ぎ(かつぎ)と呼ばれる行商人が歩いて入洛していたのです。
その荷の中で炎天下、生きて入荷出来たのが鱧だけだった様です。それほど迄、生命力の強い魚を食べて暑い夏を乗りきろうとしたのでしょう。

鱧の身は綺麗な白身ですので、調理法が沢山あり、料理の数も豊富だった事から
魚へんに”豊”になったと云われていますが、ちょっと”まゆつば”です(笑)


一番厄介なのが”骨切り”という作業で、この仕事がされていませんと食べることが出来ないのも職人さんの自尊心を煽ったことでしょう。

当店でも先日からお出ししています。

“鱧丼”

漬け焼きの鱧をもう一度蒸し上げて丼にします。
淡白な身ですので漬けダレの味加減になりますが、作って売っている本人が云うのもなんですが、添えた”茗荷” “大葉”がさっぱりと夏を感じさせる、美味しい丼だと思います。お祭りに想いを馳せて是非一度、食べてみて下さい。お腹も心も”豊”になる事請け合いますm(__)m