みなさま、こんにちは。何時もありがとうございます。
薬味のネギの柔らかさや、切り漬けの野菜の甘さで本格的に寒さが訪れて
一年の最後の月を迎えたのだと調理場でも感じとる事が出来ます。
さて今日は、先日お客様から教わった話題を一つ。
皆さんも馴染みのある、”きつね“や”たぬき“と言った名前のメニューは
各地域で、呼び名は一緒でも品物が変わるのは周知のことと思いますが
この間、お客様から「いたち蕎麦って知ってるか?」って訊かれました。
“きつね” “たぬき” “いたち” 正に動物シリーズです(笑)
冗談言われているかと思いましたが、恥ずかしながら知りませんでしたので
調べてみますと実存しました!
これも場所により変化するらしいのですが、関西ですと”うどん・そば”の和出汁に中華麺を合わせるとこう呼ぶみたいで、異種混合、いわばハイブリッドですね。
関東では”天かすの入ったうどん・そば”を (天ぷらの種抜き→天抜き→たぬきと変化した様で)”たぬき”と呼びます。
この”たぬき”と油揚げの入った”きつね”が合わさった”天かす入りきつね”をいたち”と言うみたいです。
“きつね” と”たぬき” が合体して “いたち” ! 何とも奇妙なネーミングです。
所によると、きつねとたぬきの化かし合いで、”お化け“とも呼ぶらしいです。
京都では”きつね”は油揚げの入った、うどん・そば。”たぬき” は”きつね”の餡掛けになります。これが合わさってもあまり変わりませんね。
関西、関東の両方の”いたち蕎麦”、実は”まかない”で良く作ります。
さすがに中華麺は製麺していませんので、市販になりますが、”天かす入りきつね”は定番です。
ちょっと逸れますが、”巻き寿司” と”いなり寿司”の詰め合わせの箱を”助六”って云いますね。
これなんかも歌舞伎市川家十八番「助六所縁江戸桜」に出てくる助六の愛人で、吉原の花魁「揚巻」をもじった名前です。
いなり寿司の油揚げの”揚げ” と巻き寿司の”巻き”をとって合わせた、凄く洒落た名だと思います。
“きつね” “たぬき” “いたち” “助六” 等々、何れにしても先人さん達のネーミングはほんとうに、言い得て妙ですね♪
当店でも”きつね” “たぬき” “いたち”、動物シリーズ!全部お召し上がりいただけます。
如何です?彼らの化かし合いに付き合って “一杯喰わされて”みては…。
最終月もどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m