「月替わりの献立-10月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu Oct.2023

皆様こんにちは、いつもありがとうございます。
毎回、枕が気温の話ばかりで甚だ嫌気がさしますが、彼岸も過ぎたのにまだエアーコンディショナーの世話になる日が続いています。
流石に朝晩だけは過ごし易くなってきて、調理場での仕込み作業も随分と楽になってきました。食材も、真夏のそれからは少しずつ移行して色も暖色系になってきました。
昨今恐い食中毒のニュースもありましたので、当店ももう少し涼しくなってきてからテイクアウトを再開しようと思っています。

さて、月替わりです。早いものでもう10月(神無月)です。ちょっとビックリです
季節の献立も準じます。

2023年「10月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 鶏・木の子そば

  • 栗ご飯

  • 柿なます

です。
またかいな!って声が聞こえてきそうなメニューですが、作り手としましては結構気に入っている献立です(笑)。
香りも色も秋らしく設えられますし、何よりも食材がコンスタントに入荷出来ます。

○鶏・木の子そば

沢山の種類のキノコを使おうと思います!鶏も部位を何種類か変えて食感を楽しんでもらいます。鰹出汁にかしわと木の子エキスが混ざって、正に相乗効果の旨味が引き出される種物です。香りプラスは柚子が引き受けます。

 

○栗ご飯

細かく砕いた蒸し栗を出汁で混ぜ合わせます。天に新銀杏が光ります。

 
○柿なます
 

シャキシャキ食感と柑橘の酸っぱさ、柿の甘さが合わさった秋の定番のおかずです。新蕎麦の時期ですので塗の器の模様は、蕎麦の葉の図柄があしらってあります。

こんな感じです。

10月から4500品目の食品が値上げで、家計の負担がますます重くなるって新聞の一面に掲載されていましたが、ホントそれこそ神も仏も無いものかって思いますよね。

冒頭に“枕”って言葉を使いましたので久し振りに、落語のサゲを真似て締めてみたいと思います。
え〜、10月と掛けまして得度仕立てのお坊さんと解きます。その心は
     『双方に神(髪)は無い』と(汗)

昨今の物価高騰には神様にすがりたいものですけどね。
今月もひと月宜しくお願い致します。

追記としまして
10月1日から冬季メニューに変わります。“鴨”の登場です。
併せて宜しくお願い致します。

 

「月替わりの献立-9月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu Sep.2023

皆様こんにちは、いつもありがとうございます。

暦上はとっくに立秋も過ぎたというのに、連続ひと月以上の猛暑日更新という、目も眩む様なニュースの昨今です。夜には秋の虫の声も聴き取れますが、彼らも気温や体感温度で『もう、秋だ!』 なんて感じてるんじゃなくて、日照時間の移り変わりで季節を認識しているのだと納得しました。だって毎日嫌と云うほどの熱帯夜ですもんね。彼岸が待ち遠しい今日この頃です。ヤレヤレ。

月変わりですので季節の献立は強制的に「秋」にしました。一新です!

2023年「9月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 天ぷら蕎麦

  • 菊飯

  • 豚と茄子のクルミだれ掛け

です。

○天ぷら蕎麦

今回も蕎麦と天ぷらは別々でお出しします。秋の味覚何品か揚げたいと思います。中にちょっと珍しい食材入っているかもです。衣で内容が見えませんのでシークレットです。
過去には” たこ焼き”を揚げたことありましたしね(笑)。熱々を塩で、出汁に浸けて天ぷら蕎麦で、何方でもお好きに召し上がって下さい。

 

○菊飯

これも9月のど定番です。重陽の節句に因んで食用菊を使った混ぜご飯です。炊いた小豆が色目で参加しています。

 
○豚と茄子のクルミだれ掛け
 

おかずの方も節句に合わせて秋茄子を使います。
蒸し豚を台にして、色止めした茄子の上からクルミだれを掛けました。下はポン酢味ですので、割りにサッパリと食べていただけると思います。天に糸唐辛子の赤色です。

こんな感じです。

先月も書いた様に思いますが、季節の食材を『今月はコレっ!』って 書けない時代になってきています。秋刀魚が分かり易い例ですね。海水温の上昇で既存の漁場では漁獲量が激減していますもんね。ただ時期がズレているだけで、棲息数が減っているわけではないのでしょうけどね。
その内に日本でも亜熱帯化が進んで、京都でもマンゴーやパイン、バナナが収穫出来る日が来るかもです。

うちみたいなこんな小さな調理場でさえも、食材の変動で地球異変を感じとれる程です。文明のしっぺ返しが少しずつ訪れているのかもしれませんね。

ちょっと固い話題になりました。とは云いましても味覚の秋に近づいています。

「秋の新蕎麦」を楽しみに今月もひと月、どうぞ宜しくお願い致します。

 

「月替わりの献立-8月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu Aug.2023

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。

「毎日の暑さに参りますネェ〜! 」
顔をしかめての時候の挨拶しか思い浮びません。当方が小学生の頃は、30℃を超えただけでもちょっとしたニュースになっていましたが、最近じゃ35℃を過ぎても然程驚かなくなりましたもんね。
この調子では40℃も当たり前の夏になるかもしれませんね。

そんな酷暑の8月に月変わりです。

季節の献立も一新しました。

2023年「8月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 冬瓜と蒸鶏の冷蕎麦
  • とうもろこし御飯
  • 鱧のおとしと青瓜の酢の物

です。まぁ、毎年良く似たメニューですが、どことなく少し変えてあります。

○冬瓜と蒸鶏の冷蕎麦

やっぱり今月も冷たい麺でお付き合い下さい。キンキンに冷やした冬瓜の薄切りと焼き万願寺ハーブと一緒に蒸しあげた鶏もも肉のスライスが上に乗ります。三口目くらいで身体が冷えてくる仕様にしてあります(笑)

 

○とうもろこし御飯

人気の混ぜご飯です。蒸して焼いて解いて炊いたトウモロコシ。ちょっと手間が掛かっいてる分、美味しいと思います。今年は天に枝豆が応援に来ています。

 
○鱧のおとしと青瓜の酢の物
 

今月も鱧、使います。ガラス鉢の下段に瓜の酢の物で上に鱧おとしを配した層に仕立てました。梅肉と酢味噌、両方でお召し上がり下さい。このおかずは一口目から冷えます…。

こんな感じです。どうしても気温に左右されますので冷たい仕様での提供になります。飽きない程度にご注文下さい。

そして今月は、この「季節のおそばと御飯」、
少しイレギュラーな提供となります。
どうしても仕込みの段取りがつきませんので、勝手ではございますが
お盆の期間中、8月の11日(金)〜18日(金)迄、提供を中止
させていただきます事ご容赦願います。

さて、前述の酷暑の話に戻りますが、何でもこう暑いと夏の厄介者の昆虫「蚊」が飛べないんやそうです。彼らの活動最適温度が26℃〜32℃でそれ以上になりますと途端に鈍るんやそうです。そういえば夜に耳元でブゥ〜ンって聞かない様な気がしますね。気温がそのまま体温に影響する昆虫ですから、無理もないでしょうね。

そんな蚊も飛べない程の暑さの中お出掛けいただくのは全くもって恐縮です。
くれぐれも熱中症には留意していただいてご来店下さい。
お待ち申し上げております。

今月もどうぞ宜しくお願い致します。 

追伸としまして、8月22〜24日迄を夏季休暇とさせていただきます。

 

 

「月替わりの献立-7月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu July.2023

皆様こんにちは、いつもありがとうございます。
ジメジメと湿度の高い、食材が傷みやすい、衛生面により一層気を配らないといけない一番苦手な季節の到来です。お祭り一色となる京都ですが、巡行辺りまでは梅雨が明けないのが常です。
そんな中、月が変わります。季節の献立も新しいメニューとなります。

2023年「7月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 豚と細目野菜の冷蕎麦
  • 鱧丼
  • 茄子とトマトの冷し鉢

です。

○豚と細目野菜の冷蕎麦

今月は冷たい蕎麦での提供です。
去年割と評判良かったので、今年も山形県の郷土料理”ダシ”を真似てみました。茄子、胡瓜、茗荷、大葉、生姜を細目に切ってガゴメ昆布と合わせました。この独特の粘りが、キンキンに冷えた蕎麦に良く合います。横には冷し豚の胡麻ポン酢和えで、ボリュームを加えました。

 

○鱧丼

やはり外せませんね。祇園祭のお魚ですもんね。
毎日近所の魚屋さんでタレ焼きしてもらっています。注文が通りますと、もう一度蒸しあげて錦糸卵のフカフカ座布団の上に鎮座です。天に実山椒パラパラで香りプラスです。

 
○茄子とトマトの冷し鉢
 

おかずも喉越し良い様に冷し鉢にしました。丸茄子は揚げ浸しで、トマトは煮浸しでそれぞれ冷たい出汁に浸かっています。高野豆腐と赤コンニャクが脇をつとめてくれています。色はオクラ、天には糸削り節です。スーッと汗が引けば良いのですけどね。

こんな感じです。どうしても気温が上がってくると食欲も落ちますしスルスルと入る献立にしてみました。
でも、冷たい食材を仕込むのってホント暑いのですよ。
調理場で難しい顔しているバカ店主を見かけたら
あゝ、熱いねんな!って大目にみて下さいね。いたって夏に弱い男ですから。

そんな中でも嬉しいニュースがありました。
当店も半世紀以上続けさせてもらっていると、お客様の代がどんどん繋がって、今じゃ四代続けてのご来店っていうのが何組かおられます。先日も四代目さんの女の子が当店デビューでした。
これは暑さも忘れる嬉しい出来事でした。
なんでも、離乳食に食べつけた料理が生涯の好物になるんやそうでして皮算用しますと、どうやら彼女に一番力を入れて提供しなければなりませんね。
どうか末永くご贔屓を賜りたいものです。

今月もひと月、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

「月替わりの献立-6月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu June.2023

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
京都も梅雨入りした様子で、なんでも5月中の入梅は10年振りやそうです。
店先の街路樹脇の紫陽花も、ここ一番張り切って開花しました。
やはり雨の似合う植物で、美しい姿でお客様をお迎えしている感じです。
ひと雨一雨暑い季節に近づいて行くと思うと、花の鑑賞に腕組みばかりしていられませんね。

さて、季節の献立も次の時節に移ります。
5月は途中からの始まりでしたのであっという間に6月です。毎年の事ですが、店内もエアコンを効かせて湿度を下げる様に努めていますので、今回は温かい種物での提供にしました。

2023年「6月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 花巻そば
  • 谷中飯
  • 夏野菜の焼浸し

○花巻そば

これも6月の定番となってしまいました。
かけ蕎麦に海苔と山葵を乗せただけの、いたってシンプルな種物なのですが、海苔も山葵も旬からは外れていますし季節のおそばと云うには叱られてしまいそうですがどうにもこの“香り良し”の種物が大好きな、作り手の好みだけです。
今回は貝柱も応援に来て混浴してくれています。味と香り、そして生姜御飯との相性もバッチリです。

 

○谷中飯

これは旬のど真ん中の新生姜の混ぜご飯です。
一番出汁と塩だけで炊いてあります。口に入れるとサッパリと、食欲そそるご飯です。

 
○夏野菜の焼き浸し
 

今年はお野菜を焼いてから出汁に浸しました。
野菜の甘みと食感を直に感じ取れる冷し皿です。焼き鮭も加わって少しだけ脂分プラスです。

こんな感じです。少し淡白なセットかなと思いますが、夏本番にはスタミナ食になるでしょうから、今回は胃腸に優しい献立でお召し上がり下さい。

シトシトと足元悪い中のご来店になりますが、又ひと月どうぞお付き合い下さい。