「月替わりの献立-7月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu July.2023

皆様こんにちは、いつもありがとうございます。
ジメジメと湿度の高い、食材が傷みやすい、衛生面により一層気を配らないといけない一番苦手な季節の到来です。お祭り一色となる京都ですが、巡行辺りまでは梅雨が明けないのが常です。
そんな中、月が変わります。季節の献立も新しいメニューとなります。

2023年「7月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 豚と細目野菜の冷蕎麦
  • 鱧丼
  • 茄子とトマトの冷し鉢

です。

○豚と細目野菜の冷蕎麦

今月は冷たい蕎麦での提供です。
去年割と評判良かったので、今年も山形県の郷土料理”ダシ”を真似てみました。茄子、胡瓜、茗荷、大葉、生姜を細目に切ってガゴメ昆布と合わせました。この独特の粘りが、キンキンに冷えた蕎麦に良く合います。横には冷し豚の胡麻ポン酢和えで、ボリュームを加えました。

 

○鱧丼

やはり外せませんね。祇園祭のお魚ですもんね。
毎日近所の魚屋さんでタレ焼きしてもらっています。注文が通りますと、もう一度蒸しあげて錦糸卵のフカフカ座布団の上に鎮座です。天に実山椒パラパラで香りプラスです。

 
○茄子とトマトの冷し鉢
 

おかずも喉越し良い様に冷し鉢にしました。丸茄子は揚げ浸しで、トマトは煮浸しでそれぞれ冷たい出汁に浸かっています。高野豆腐と赤コンニャクが脇をつとめてくれています。色はオクラ、天には糸削り節です。スーッと汗が引けば良いのですけどね。

こんな感じです。どうしても気温が上がってくると食欲も落ちますしスルスルと入る献立にしてみました。
でも、冷たい食材を仕込むのってホント暑いのですよ。
調理場で難しい顔しているバカ店主を見かけたら
あゝ、熱いねんな!って大目にみて下さいね。いたって夏に弱い男ですから。

そんな中でも嬉しいニュースがありました。
当店も半世紀以上続けさせてもらっていると、お客様の代がどんどん繋がって、今じゃ四代続けてのご来店っていうのが何組かおられます。先日も四代目さんの女の子が当店デビューでした。
これは暑さも忘れる嬉しい出来事でした。
なんでも、離乳食に食べつけた料理が生涯の好物になるんやそうでして皮算用しますと、どうやら彼女に一番力を入れて提供しなければなりませんね。
どうか末永くご贔屓を賜りたいものです。

今月もひと月、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

「月替わりの献立-6月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu June.2023

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
京都も梅雨入りした様子で、なんでも5月中の入梅は10年振りやそうです。
店先の街路樹脇の紫陽花も、ここ一番張り切って開花しました。
やはり雨の似合う植物で、美しい姿でお客様をお迎えしている感じです。
ひと雨一雨暑い季節に近づいて行くと思うと、花の鑑賞に腕組みばかりしていられませんね。

さて、季節の献立も次の時節に移ります。
5月は途中からの始まりでしたのであっという間に6月です。毎年の事ですが、店内もエアコンを効かせて湿度を下げる様に努めていますので、今回は温かい種物での提供にしました。

2023年「6月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 花巻そば
  • 谷中飯
  • 夏野菜の焼浸し

○花巻そば

これも6月の定番となってしまいました。
かけ蕎麦に海苔と山葵を乗せただけの、いたってシンプルな種物なのですが、海苔も山葵も旬からは外れていますし季節のおそばと云うには叱られてしまいそうですがどうにもこの“香り良し”の種物が大好きな、作り手の好みだけです。
今回は貝柱も応援に来て混浴してくれています。味と香り、そして生姜御飯との相性もバッチリです。

 

○谷中飯

これは旬のど真ん中の新生姜の混ぜご飯です。
一番出汁と塩だけで炊いてあります。口に入れるとサッパリと、食欲そそるご飯です。

 
○夏野菜の焼き浸し
 

今年はお野菜を焼いてから出汁に浸しました。
野菜の甘みと食感を直に感じ取れる冷し皿です。焼き鮭も加わって少しだけ脂分プラスです。

こんな感じです。少し淡白なセットかなと思いますが、夏本番にはスタミナ食になるでしょうから、今回は胃腸に優しい献立でお召し上がり下さい。

シトシトと足元悪い中のご来店になりますが、又ひと月どうぞお付き合い下さい。

 

 

「月替わりの献立-5月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu May.2023

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
ゴールデンウィーク中はお天気にも恵まれて沢山ご来店いただきほんとうにありがとうございました。
時分時には大層お待たせもして申し訳ありませんでした。
それでも、久しぶりの帰省で懐かしいお顔を拝見出来たお客様もおられたりして嬉しい仕事となりました。

さて、お待たせしました! 仕込みの都合で遅れておりました季節の献立を12日(金)から始めさせていただきます。

2023年「5月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 冷し豚天蕎麦
  • オリーブ香るしらす飯
  • 鰹たたき

です。

○冷し豚天蕎麦

毎年5月は冷し麺での提供となってきてますので、今年も例外ではなく冷たい鉢で召し上がっていただきます。下味を付けた豚ロースを天ぷらにしました。横に季節の野菜を配した冷し天ぷらぶっかけ麺です。ちょっと変わったトッピングでフライドオニオンで香ばしさを出してます。

 

○オリーブ香るしらす飯

去年、大変好評いただきましたので今年も再登場です。
まぁ、しらす飯にオリーブオイルを混ぜただけと云えばそうですが“いぶりがっこ”の燻香がアクセントとなった食欲そそるご飯となってます。今年は天にオリーブの身も参戦です。

 
○鰹たたき
 

5月のど定番となりました。毎朝、市場から届く生身を店内炙りで提供します。藁焼きとまでは叶いませんが新鮮さ抜群でお出しします。この鰹の大きさでその日の提供数が決まりますので、売り切れの際はご容赦願います。味はあっさりとポン酢です。

こんな感じで、中途始まりになりましたが最後までお付き合い下さい。お待たせいたしました。

あともう一つ、
5月の23、24、25日の火曜日から木曜日までの3日間連休させていただきます。
どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

「月替わりの献立-4月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu Apr.2023

4月の季節のおそばと御飯

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
この文章を書いている今の今、京都市内は満開の桜で差し詰めコロナ前の観光都市京都、の真骨頂の様相を呈しています。
なんでも、今年は観測史上初の最速開花だそうでして、そうなりますと散ってしまうのも速いということになりますよね。
入園、入学式には絶対的な背景と決まっていると思っていましたのに
年々ズレてきて、そうこうしている内に卒園、卒業式のお決まりになるかもしれませんね。
旬の代表格の秋刀魚も、秋の字を返上しないといけない様な時期に獲れていますしちょっと、しっくりきませんね。

さて、月替わりです。こちらの献立は春ど真ん中で仕立ててあります。

2023年「4月の季節のおそばとご飯」1,500円

4月の季節のおそばと御飯
 
  • 若筍蕎麦
  • 桜海老天丼
  • 蒸し鶏と新玉葱のマリネ

です。

○若筍蕎麦

若筍蕎麦

 

やはり、筍は外せませんので出合いものの若布とコンビで温かい種物に仕上げました。新物の筍の柔らかさと若布の香りを充分に受けとめます。天にはこれまたどストライクな木の芽が力を発揮します。

 

○桜海老天丼

桜海老天丼

 

桜って名前がつくだけでその気になりますもんね。
小柱と三つ葉でかき揚げにしました。今年も駿河湾から直送です。

 
○蒸し鶏と新玉葱のマリネ
 

蒸し鶏と新玉葱のマリネ

 

新玉葱を使いたくて、合う食材を探しました。
鶏もも肉を香味野菜と一緒に蒸しあげてあります。
玉葱のマリネにガーキンピクルスを和えました。
ちょっとさっぱりしたおかずに仕上げたつもりです。
粒マスタードとピンクペッパーが良い仕事します。
天には桜花塩漬けで香りプラスです。

こんな感じです。大きな変化はありませんが、ところどころマイナーチェンジしてあります。

これからほんの暫くですが、良い気候が続く爽やかな季節です。観光も外出も緩和されてお出掛けの回数も増えて来そうです。当店もその中の一食に加えていただけたら大変嬉しいです。春の行楽シーズン、手ぐすね引いてお待ちしております。


追記としまして、冬季メニューの「鴨」は3月いっぱいで終了です。
5月からの夏季メニューまでお待ち下さい。
沢山のご注文本当にありがとうございました。

 

 

「月替わりの献立-3月の季節のおそばとご飯-」 Monthly menu Mar.2023

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。今季は京都市内でも多くの積雪を経験した冬となりました。なかなか厚手の防寒着を収められない寒さでしたが、ここへ来てようやく当店の店先の鉢植えの海堂桜も「やっとですか?」って顔で蕾に色をつけ初めました。


3月はいろんな事が終わったり、多くの事が新しく動き出したりと、入れ替わりの月です。当店に来店のお客様にもそれらしい学生さんをお見受けします。親御さんと一緒に下宿先を探されている様子で、この春からの新入生なのでしょう。少し浮かれる様な月に突入です。

さて、季節の献立も浮かれるメニューに一新です。

 

2023年「3月の季節のおそばとご飯」1,500円

 
  • 蛤蕎麦
  •  鯛飯
  • てっぱい

です。

○蛤蕎麦

 

お雛さんの貝合わせに因んで蛤蕎麦です。
因んではいますが、蛤の出汁は鰹のそれと好相性ですので味も絶品です。貝の片方に菜花を配して薄焼き卵の蝶を飛ばしました。

 

○鯛飯

 

春メニューですので、ちょっと気取って”お鯛さん”(京都では鯛はさん付けで呼びます(笑))を使います。
焼き浸しにした身を混ぜた味付け御飯の上に昆布締めした切身を、薄く削ぎ切りにして並べました。割にほっこりする味に仕上がっていると思います。天には、もみ焼き海苔です。

 
てっぱい
 

 

おかずも雛メニューで合わせました。
九条ネギと油揚げの辛子酢味噌和えです。
“てっぱい”って名前が不思議ですか?“鉄砲和え”が訛った言葉らしいです。分葱を湯がく時に出るポンポンって音を鉄砲に見立ててついたみたいです。なかなかオツなネーミングですね。お味もオツに仕上げたつもりです。ビシッと辛子も効かせました。旬の魚介も少しだけ参加しています。

こんな感じの春の献立です。うきうきしていただけたら嬉しいです。
桜満開の陽気本番まであと少し、ひと月どうぞ宜しくお願い致します。