「月替わりの献立-6月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu June.2024

 皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
店前の、街路樹下の2種類の紫陽花も例年より早く開花し柏葉紫陽花なんかは、ほぼ満開で梅雨本番には間に合いそうにありません。
店内のエアコンの運転時間も徐々に長くなってきていますので毎日の天気予報にうんざりする季節もそう遠く無さそうです。

 さて、月替わりですので季節の献立も一新します。
5月は中途半端な週から始めましたので、期間も短くなってしまい申し訳ありませんでした。
今回はちゃんと1日から始めさせていただきます。

「6月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 花巻蕎麦
  • 谷中飯
  • 茄子揚げ浸し

です。

花巻蕎麦(ハナマキソバ)

毎年この月恒例になってきた蕎麦です。
焼き海苔と山葵のいたってシンプルな温かい汁蕎麦ですが何が季節の旬かと申しますと、山葵は6・7月が収穫最盛期なんです。
当店も信州から届く立派な安曇野産山葵も、おろしたては粘り、色、甘さ全て申し分ありません。
それに加えて温かい汁でお出ししますので、海苔の香りとの相乗効果で本当、良い香りの種物だと思います。

谷中飯(ヤナカメシ)

これも毎年のど定番の混ぜご飯です。
出汁で味付けした針新生姜だけの簡単なご飯ですが此方もとっても良い香りが食欲を増します。今回は白身焼き魚のほぐし身も加えて、香ばしさもプラスしました。
谷中は東京の地名で昔、生姜の生産地だったらしいです。
深川飯や舟場汁と言った名の由来と一緒ですね。
天の緑は絹さやです。

茄子揚げ浸し(ナスアゲビタシ)

おかずには少し油を使いました。
素揚げした茄子を出汁に漬けて、一晩冷蔵庫でキンキンに冷やしてあります。
他、いくつかの夏野菜も同様に色で参加です。
甘辛の出汁が良く滲みて、ホッと一息つける冷やし鉢に仕立てました。
天は白髪ネギの白で涼を。

こんな感じです。毎年のメニューですが少しマイナーチェンジしてあります。

6月は雨の時期でもありますので、温かい汁蕎麦での提供とさせてもらいました。
 昼の間で売り切れてしまう日が多くなってきて、ご所望のお客様全員に行き渡らない事、申し訳ありません。
毎月楽しみにしているとお声掛けいただけるのも励みになります。
本当にありがとうございます。

 そんなありがたいお客様に、バカ店主からひとつお願いがございます。
昨今のSNS事情から、多くの方が運ばれて来た商品にスマホのカメラを向けて下さいます。用途も大体察しがつきますので大変ありがたいのですが反面、一刻も早く召し上がっていただきたいのが本音です。
以前のブログにも記した事があるのですが、麺類は出て来た状態が一番美味しいタイミングです。時間と共にどんどん劣化していきます。カメラの作業がどうしても時間を奪います。本当のところ、お箸を持って待っていて欲しい勢いです。運ばれてきたら直ぐに食べていただきたいのです。
箸をつけてから撮ったのでは映えないのも充分理解出来ます。
でも、麺類の撮影、投稿はもう諦めて食事に専念して欲しいです。
時間を掛けて撮影して、満足いく投稿までは保ちません。
コメント欄に『麺が柔らかく、コシが無かった』って発見すると非常に悲しくなります。バッチリ写真付きで投稿されていますしね。
タグ付きで、宣伝も兼ねているのにエラそうにって叱られそうですがどうか、”そう言えばバカ店主が云うてたな”と思い直してシャッター音ではなくて、すする音を調理場まで響かせて下さい。

 勝手なお願いでしたが、今月もひと月どうぞ宜しくお願い致します。

                           バカ店主

「月替わりの献立-5月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu May.2024

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
ゴールデンウィークは沢山のご来店、誠にありがとうございました。
色々とイレギュラーな事もあり、ご迷惑をお掛けした事と思いますが辛抱いただきました事も重ねてお礼申します。
お天気もどうにか味方してくれたみたいで、仕込みの段取りも割に上手くいったように思います。

さて、一番のお待たせ案件の一つ、季節の献立始めさせてもらいます。
1日から夏季メニューは提供中ですが、仕込みの都合上毎年この頃からの開始になり、申し訳ありません。
今回は初お目見えの献立ばかりで組みました。

「5月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 昆布締め豆腐の冷やし蕎麦
  • 鰹の漬飯
  • 鶏つくね煮

です。

昆布締め豆腐の冷やし蕎麦

例年通り、5月は冷やし麺でいきます。
具材は昆布締めにした木綿豆腐の薄切りと香りの生野菜が乗ります。昆布は本当良い仕事をします!一晩締めた旨味たっぷりの木綿豆腐の冷奴には梅肉、辛子、山葵胡麻がそれぞれ色と味をセロリやクレソンといった香りの生野菜が薬味を担当します。
さっぱりとしたぶっかけ冷蕎麦に仕上がっています。

鰹の漬飯

鰹は毎年” たたき”のおかずでしたので、今回はご飯で登場させました。
調味醤油に漬けた初鰹を乗せたご飯です。
もっちりとした食感の鰹と熱々飯を焼き海苔と大葉が見事に合体させます。

鶏つくね煮

少し濃い目のおかずにしました。朝採りのとても新鮮な鶏ミンチを味付けて、つくねにしました。新玉葱の甘さがアクセントの自家製です。こんがり焦げ目を付けてから甘辛い出汁で煮絡めてあります。
少しマイルドになる様に卵黄をトッピングしました。
黄色に緑が映える様、スナップエンドウが色を努めます。

こんな感じです。鶏や生魚といった献立ですので、好き嫌いが分かれるメニューですが、何時もより短い提供期間ですのでどうぞお付き合い下さい。

今年も又、暑い、熱い、アツい季節がやって来る様にニュースが報じています。何でもあの「カメムシ」も一昨年の31倍の発生率やそうでして虫好き、生物好きのバカ店主としましても少し辟易しております。
それ程の猛暑になる予報です。
良い時候はあっという間に終わります。湿度の少ない気持ちの良いうちにお出掛け下さい。

ウチは一昨年の31倍のお客様になります様に……………。

「月替わりの献立-4月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu Apr.2024

皆様こんにちは、何時もありがとうございます。
春の到来です。この原稿作成中は、例のあの花もちらほらでお花見気分とまでは未だいかなさそうです。
それでも学校は春休みに入ったので、土日なんかは家族での行動が多く見受けられます。
今年はほんと暖冬でした。野菜の価格高騰や食材調達の難しさなんかで、調理場でも実感出来ています。年々、季節の献立が考えにくくなってきてもいます。
そんな訳で、春と云えば旬の食材でまいります。

4月です。月替わりの献立も変更します。

「4月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 若筍蕎麦
  • 蛸飯
  • 新じゃがと魚介のサラダ仕立て

です。

若筍蕎麦

今年は筍がちょっと不作気味らしいのですが、何とかひと月調達していきたいと思います。出会い物の王様ですね。
若布と筍の温かい種物です。
海の香りと土の匂いが混ざり合う、歯触りも嬉しいお蕎麦です。
天にはもちろん木の芽の香りです。

蛸飯

ご飯も桜色を出したくて、タコの赤色を借りました。
蛸は醤油無しで、一番出汁と塩で炊いてしっかり味付けしてあります。
今月も菜種の緑にお出まし願って、混ぜ合わせてあります。

新じゃがと魚介のサラダ仕立て

シャキシャキの食感が欲しかったので、今回は新じゃがでいきたいと思います。千に切って軽く湯掻いて、良く水でさらしてデンプンを抜いてあります。
昆布〆にした魚介とはオリーブオイルの出汁ドレッシングが繋ぎます。天には良い香りのあの花が乗ります。

こんな感じです。
 
4月も前半のうちは、やれ花粉だ、やれ黄砂だと身体にアレルギー反応が起こりそうな気象情報ばかりです。せめて言葉だけでも「春霞」なんて綺麗な響きがあるのですから、予防万全で
お花見がてらお出掛け下さい。良い時候の期間なんてあっという間で、直ぐにエアコンの青い方のボタンを押さなくてはなりませんもんね。
今月も一生懸命努めますので、どうぞひと月宜しくお願い致します。

追記としまして、冬季メニューの”鴨”は3月いっぱいで終了です。
5月からの夏季メニュー登場まで暫くご辛抱下さい。

「月替わりの献立-3月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu Mar.2024

皆様こんにちは。何時もありがとうございます。
早くもひと月経ちまして、月替わりのご案内となりました。
3月は桃の節句です。数あるそれの中でも一番はんなりとした
やはり女の子の行事だなぁと思います。

節句とは?って調べてみますと「季節の節目となる日」とあります。
奈良時代に中国から伝わった「陰陽五行説」が由来の年中行事を行う
節目の日です。中でも名前に桃がついたり、別名「雛祭り」と言ったりと
優しい節句の気がしますね。
しかし、昨今の気温や気象変化を見てみますと、随分と早まって
必ずしも当てはまる気がしませんね。
今年は特に暖冬の影響で、此方でも本当に底冷えしたって日は
数えるほどほどでしたしね。
寒さに耐えて、やっと待ちわびた春が来たって云う実感に欠ける
様にも思います。

でも確実に月は変わります。花月・花見月・桜月等、綺麗な別名を持った
3月です。季節の献立も一新です!

「3月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 蛤蕎麦
  • 春キャベツと鮭の酒粕飯
  • てっぱい

とお雛さんに因んだ構成にしました。

蛤蕎麦

沢山あるそれの中でも頗る良い出汁の出る貝です。
ひな祭りには欠かせない食材ですので菜の花を対にした種物にしました。
例によって蝶々も飛ばしてあります。

春キャベツと鮭の酒粕飯

今回も初提供の御飯です。白酒になぞらえて酒粕を使ってみました。
下味を付けた新キャベツと鮭に、オリーブオイルを混ぜ合わせた酒粕を炙って混ぜました。
お酒が苦手な方には少し食べにくいかもしれませんがそんなに強烈な臭いも無くて割に上品に仕上がっていると思います。
あ、それと酒好きが作っていますんで、酒粕はちょっと張り込んであります(笑)

てっぱい

いわゆる、酢味噌和えです。「ぬた」とも言いますね。
今回は油揚げと分葱を使いました。旬ですのでタコやホタルイカ等の海鮮も参加です。

こんな感じで、例年通りのメニューですがどことなくマイナーチェンジさせてあります。
お客様に「来月はこの食材を使うんでしょ!」って先に云われますと天邪鬼ですので絶対使わないでおこうと思いますし、何とか違う食材で目新しさを出そうと考えます。
それが良い結果を産めば良いのですが。

先述しましたが少し気候がズレてきている様にも思います。
これからの京都の春も見どころ満載ですよ。
梅・桃・桜と順に追っかけてお出掛け下さい。
今月もひと月どうぞ宜しくお願い致します。

「月替わりの献立-2月の季節のおそばと御飯-」 Monthly menu Feb.2024

皆様こんにちは、毎度ありがとうございます。


年明けから時間が止まったままの方々が、大勢いらっしゃると思いますし復興の道のりも先が見えずに、不安な日々を過ごしてらっしゃるとお察しします。
近所のスーパーでの買い物に北陸産を見つけますと、手をのばすくらいの事しか出来ませんが一日も早く普通の日常を取り戻せる事を願うばかりです。

それでも暦はひと月経過しました。此方京都市内でも、本来ですと大寒からこっちまで底冷えする一番寒い季節ですのに、今年は予報通り暖冬を実感出来る気温が続いています。節分と云いましても何かピンと来ない感じです。


そんな中、季節の献立も変わります。

「2月の季節のおそばと御飯」1,500円

  • 豚肉と福豆のかき揚げ蕎麦
  •  百合根御飯
  • 蕪とオイルサーディンの酢の物

蕎麦とご飯は初めての献立です。

豚肉と福豆のかき揚げ蕎麦

今年は節分福豆を蕎麦の方で使用します。
下味を付けた豚肉と豆でかき揚げにしました。
天ぷらにする事で新炒り大豆の香ばしさがアップしている様に思います。天には生水菜のシャキシャキを置きました。

百合根御飯

初登場の混ぜご飯です。
もっと早くに使えば良かった食材の御飯です。
百合根の甘さとホクホクの食感が身上です。ちょっと色を付けたくて、カニのほぐし身も一緒に混ぜてあります。割に品良く仕上がったと思います。
天には針大葉の緑です。

蕪とオイルサーディンの酢の物

鬼の嫌いな鰯はここで登場します。
オイル漬けでスモーキーな味付けですので、ひょっとしたら作り手同様、彼らも好物かもしれませんね。早くも新玉ねぎとスモークサーモンも参加してくれています。
天は針柚子で色、香りプラスです。

こんな感じでのご提供です。

 お陰様で1月の献立は、連日早々に売り切れとなりまして
用意も少なかった事もありましたが、鰻の人気には正直驚きました。
お取置きもお断りしておりましたので、お食べになれなかった
お客様には大変申し訳無かったです。
今月はそんな事にはならないと思いますので、お出掛け下さい。

それとまだ少し先の話ですが2月18日(日)は京都マラソンです。
当店の前の北山通りも、往復コースに含まれていますのでその日は午後5時からの営業とさせていただきます。
お客様から「何や、店主も出場するのですか?」って云われますけどとんでもありません。走るのは、いたって苦手でございます。
体重があと42.195キロほど減ったら、考えてもいいかなと思う今日この頃です。
  
今月もひと月どうぞ宜しくお付き合い下さい。