「ケンケンカツオ(鰹)」5月の旬の食材

皆様こんにちは、いつもありがとうございます。
五月も残すところ後少しとなり、良い時候も直ぐに過ぎ去りそうです。

かつお

さて今日はそんな春を旬とする魚、「カツオ」のお話しです。
あまり生魚を扱う事が少ない当店ですが、店主の好みも相まって毎年五月はセッメニューのおかずに「カツオのたたき」を供するのを常としています。
毎日、中央卸売市場から仕入れています、この「カツオ」にも実はブランドがあって最近では専ら「和歌山県すさみ町の”ケンケンカツオ”」が気に入って、あれば仕入れるようにしています。

”ケンケン”って変わった名前でしょ? どんな意味なのか調べてみました。
カツオ漁の漁法はハワイから伝わったらしく、その土地の言語「カナカ語」を語源とする説と水揚げに際してカツオ自体がケンケンをするかのように跳ねる様を表した説もあるらしいです。

カツオ漁は大きく分けて「巻き網」、「一本釣り」があります。前者で獲ると時速約50〜60キロメートルで泳ぐ彼らを突然止めてしまい沢山のカツオ同士が詰め込まれて、大きなストレスで死にますし、後者は活きたまま一匹ずつ水揚げされますが釣り上げた後は甲板に叩きつけられ、そのまま死んでしまいます。
いずれにしても魚自体に大きなストレスが掛かるため身(筋肉)が焼けてしまい味が悪くなるらしいのです。

これに比べると”ケンケン漁”では一本ずつ活け締めして、直ぐさま血抜きされ頭から氷水に詰められて鮮度を保持します。
なるほど毎日のことですので、これ以外のカツオの身と比較してみますと
幾分か赤さを保ち、食感もモッチリとしている様に思います。
「そんな事お前に教えてもらわいでも、とうに知ってるわ!」って
そうですよね^_^;
でもまぁ、蕎麦屋が云うんですし、間違っていても大目に見て下さい。

もう一つ、カツオの体の模様って進行方向に平行して横にスジがいってますでしょ?
これも群れで泳いでいるときに急に捕食者に出くわしたり、ビックリした時には
なんと!瞬時に縦に変わるらしいのです。
一度、縦筋のカツオも見てみたいものです。

こんな耳学問も思い出して、夏までの暫く、”カツオのたたき”召し上がって下さい。